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【第2回】済生会加須病院について(2019年6月、一般質問)

2019年(令和元年)第1回定例会 6月24日 市政に関する一般質問
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当時は(仮称)が付いていた「済生会加須病院」について、5項目の質問をしました。

(1) 診療科目の決定に際し、加須市民の願いは反映されたのか。栗橋病院の移転だから、診療科目もそのままになるのか。と質問しました。
 市当局の答弁は、済生会が策定した計画に沿って進めている。栗橋での診療科目維持を基本として、さらに救急医療体制を強化していく方針、ということでした。

(2) 産婦人科・周産期医療体制の現状と、加須市が重ねてきた努力について具体的に①、②の質問をしました。

① 市民からは、産科・婦人科がないことへの不満や落胆の声が上がっています。また、他の議員の質問から、周産期医療の必要が生じた場合は、越谷市やさいたま市の専門医療施設にまで運ばれなければならないのが加須市の現状だということが分かりました。これを踏まえて、あらためて市当局の認識を尋ねました。さらに、2018年度の市内在住者の出産のうち、3分の2が市外で行われたとのことですが、その方達はどこの自治体で出産されたのかを尋ねました。
 市当局の答弁は、周産期医療を担う医療者、病院は全国的に不足しており、埼玉県では15の周産期医療施設が高度な医療を提供している。市外医療機関での出産数は、白岡市、羽生市が多いとのことでした。

② 加須市は新たな産婦人科開設のため、どのような努力を重ねてきたのかを質しました。
 答弁は、市内に産婦人科を開設する方を対象とした補助制度を設けて、埼玉県産婦人科医会を毎年訪問して周知活動に取り組んできた。婦人科については、現在の栗橋病院にも健診センターがあり、加須市に移転後も引き継がれるため、充実が図られる。ということでした。
 たしかに、産婦人科医が不足するなか、県や市が努力しても厳しいことはたしかです。そのことを認めたうえで、池田ゆみこは市に対し、他自治体との連携や医科大学に働きかけるなど、更なる取り組みを求めました。

(3) 加須市が負担する総額と財源、病院運営への市の関与について質問しました。また、病院建設費用のうち50億円を上限に市が財政支援する件につき、よからぬ噂が流れているが、憶測をもとにした噂が一人歩きせぬよう、市として経緯を説明するよう求めました。さらに、近隣自治体であったような病院の経営破綻など起きないよう、開設後の運営にも市が支援する必要はないかと尋ねました。
 市当局からは、50億円の財政支援が決まった経緯と、その財源は市が積み立ててきた基金と地方債によるとの説明がありました。市は病院の経営破綻は想定しておらず、病院経営のノウハウもないため、開設後の運営に関わることは適当でないとの考えとの答弁がありました。
 なお、質問の中で噂の内容に触れましたが、その箇所は不適切であるとされ、議事録上は●●と伏字にされました。

(4)① 救急医療等の不採算部門を担う病院には特別交付税を活用した財政支援が可能とされているが、加須病院にもそのようなメリットがあるか、またそのことを市民にアピールしているかを質問しました。
 市当局からは、現在その仕組みを済生会栗橋病院に対して活用していること、年度ごとに市議会に諮っていることの説明がありました。

(4)② 病院建設にあたり、SDGs推進や防災の観点から、病院の土地を活用した再生可能エネルギーや雨水活用の計画はないかと尋ねました。
 市当局は、済生会からコストの問題でそのような計画はないと聞いている、との答弁でした(市の考えを聞いたのですが)。

⑤ 今年度、市政運営の重点項目に「日本一子どもを産み育てやすいまちをつくる」が掲げられています。加須市における産科・婦人科・周産期医療体制の必要性と今後の方向性について、市長の見解を質しました。
 大橋市長は、自身の初当選以来、中核病院の誘致を最重要課題として取り組んできたとして、質問(1)~(4)への市当局の答弁を補足しながら経緯を説明されました。その中で、新病院の診療科目決定にあたり、加須医師会からは産科・婦人科開設の要望がなかった、という話がありました。
 ここまでの答弁を踏まえ、池田ゆみこから、2点提案しました。第一に、加須市として産婦人科医になれるような人材を養成するシステムをつくるべきではないか。第二に、訴訟リスクが高い診療科目について、病院や医療者を助ける法的整備を進めるよう加須市から全国に発信していくべきではないか、ということです。また、「加須市を医療過疎市にしない」という点においては、市長も議員もみな願っていることであり、ともに協力し合って済生会加須病院をつくり上げていきたいと述べ、質問を終わりました。

 初質疑に続き、この一般質問も市議会モニターの方が傍聴されていました。「明快かつ鋭い突込み(?)での質問、また自己主張を含めた質問であった。執行部の答弁をうまく引き出せたのではないだろか。」と、こちらも評価していただきました。

 詳細は冒頭のリンクより議事録をご確認ください。